防災・停電対策

ポータブル電源の防災容量は何Wh必要?人数×3日分で決める計算表

ポータブル電源の防災容量は何Wh必要?人数×3日分で決める計算表
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最終更新日: 2026年7月28日

結論からお伝えします。防災用ポータブル電源の容量は「人数×3日分」で決めます。スマホ・照明・情報の最低限に絞るなら、4人家族でも1000Whクラスで3日持つ計算です。 そして必要容量を最も大きく動かすのは、人数ではなく「冷蔵庫を電源で守るかどうか」。守るなら2000Whクラス+ソーラーの循環が前提になり、保冷剤で粘る割り切りをするなら1000Wh台に収まります。この記事では、当サイトの検証シリーズで積み上げた実測ベースの数値を使い、世帯人数×備えのレベル別に必要容量を計算表で示します。

なぜ「3日分」なのか|設計基準の根拠

内閣府の防災基本計画では、発災当初の72時間が救命・救助活動にとって極めて重要な時間帯とされ、家庭の備蓄も「最低3日分」が推奨されています。電気も同じ設計で考えるのが合理的です。実際、過去の大規模停電では大半の地域が2〜3日で復旧しており(2019年台風15号の検証・詳細は台風の停電対策で)、「3日を自力で乗り切る容量」が備えの基準線になります。被害中心部では2週間かかった例もあるため、長期化への保険は後述のソーラー循環で持たせる、という二段構えです。

【計算表】1日に使う電気を積み上げる

まず1日の消費電力量を、構成要素で積み上げます(当サイト検証シリーズと同一基準・2026年7月28日時点)。

  • 共通ベース(LED照明50Wh+ルーター・ラジオなど情報30Wh)= 約80Wh/日
  • 1人あたり(スマホ充電2回30Wh+個人機器10Wh)= 約40Wh/人・日
  • 季節家電1台(夏の扇風機8時間、または冬の電気毛布・中設定8時間)= 約240Wh/日
  • 冷蔵庫 = 理論値 約960Wh/日(平均40W)、停電実戦 約1,680Wh/日(平均70W)

これを世帯人数別に合計すると、1日の消費はこうなります。

備えの構成 1人 2人 4人
情報+照明の最低限 約120Wh 約160Wh 約240Wh
+季節家電1台 約360Wh 約400Wh 約480Wh
+冷蔵庫(実戦値) 約2,040Wh 約2,080Wh 約2,160Wh

【答え】3日分に必要なカタログ容量

上の1日消費×3日分を、実効容量(カタログの80%)で割り戻すと、買うべきカタログ容量が出ます。

備えの構成 1人 2人 4人
情報+照明の最低限 500Whクラス 700〜1000Wh 1000Whクラス
+季節家電1台 1500Whクラス 1500Whクラス 1500〜2000Wh
+冷蔵庫(実戦値) 蓄えだけでは非現実的(7,600Wh超) 同左 同左

表から読み取れる構造は明快です。人数が倍になっても必要容量は倍にならない(共通部分が大きいため)。一方で冷蔵庫を足した瞬間、必要量が桁で跳ね上がる。つまり防災容量の意思決定は、実質「冷蔵庫問題」なのです。

情報・照明・季節家電までを3日守る標準解としては、1000Whクラス(定格1,500W)が最も潰しが利きます。停電時の電気ケトルやドライヤーなど「出力の壁」がある家電にも対応でき、日常や車中泊との兼用もしやすい容量帯です。



冷蔵庫問題の答え|「守る」なら循環、「粘る」なら保冷剤

冷蔵庫を電源で守り切る場合、蓄えた電気だけでは3日で7,600Wh超が必要になり、現実的ではありません。答えは「蓄える」から「回す」への転換です。日中にソーラーパネルで発電して充電し、夜に冷蔵庫へ回す循環ができれば、2000Whクラス+200W級パネルで数日規模の停電に立ち向かえます。拡張バッテリーで容量を段階的に育てられる機種なら、なお盤石です。この構成の組み方はソーラーパネルセットの選び方で詳しく扱っています。



一方、「冷蔵庫は保冷剤と開閉最小化で粘る」という割り切りも、十分に合理的な防災です。平常時から冷凍室に保冷剤・凍らせたペットボトルを入れておけば、電源ゼロでも食材はかなり持ちます(具体的なテクニックは冷蔵庫は何時間動くかの検証の後半で)。特に一人暮らしは、この割り切りで必要容量を一気に圧縮できます(一人暮らしの防災設計)。

容量の前に、定格出力の確認を忘れずに

最後に検証シリーズ共通の注意を。容量(Wh)は「タンクの大きさ」、定格出力(W)は「蛇口の太さ」で、別物です。停電時に役立つ電気ケトル(900W〜)や電子レンジ(実消費1,000W超)は、容量が足りていても出力が細いと動きません。防災用なら定格1,000W以上、できれば1,500Wを目安にすると、熱を作る家電まで確実にカバーできます。

まとめ:最低限は1000Wh、本気なら2000Wh+ソーラー

要点です。

  • 設計基準は「人数×3日分」(内閣府の72時間・最低3日備蓄と同じ思想)
  • 情報+照明の最低限なら、4人家族でも1000Whクラスで3日持つ計算
  • 分岐点は冷蔵庫。守るなら2000Wh+ソーラー循環、粘るなら保冷剤で1000Wh台
  • 容量と別に定格出力(1,000W以上目安)の確認を

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